CTで冠状動脈造影?!

医療機械の進歩に驚くことがありますが、今回はCTを利用した冠状動脈造影についてお知らせします。
狭心症や心筋梗塞症の確定診断には入院してのカテーテル検査が必要でした。しかし、外来でのCT検査で鮮明な冠状動脈造影が行えるようになったのです。右の写真をご覧下さい。CT機能を向上させることでこのような画像が多方向の動画として得られるようになりました。プラークの性状評価も可能です。今年5月に、新しい徳島赤十字病院が開院しますが、その新病院に鮮明な冠状動脈造影を行えるCTが導入されることになっています。次のような方にお勧めしようと思っています。
(1)自覚症状はないが、風船治療や冠状動脈バイパス術を受けて10年以上になる方
(2)自覚症状はないが、心電図に異常所見があり、虚血性心疾患の存在が疑われる方

ただ、この検査にも弱点があります。脈が速すぎると現状の機械でもきれいな画像がえられません。心拍数の限界は1分間に90程度とされています。それ以上速い人では脈を遅くする薬を使用してから、検査を行う必要があります。

また心房細動の人は心拍の間隔が不規則なためきれいな画像を得ることができず、このCTの適応にはなりません。血管の石灰化が強い人も鮮明な画像がえられないと指摘されています。

これらの問題点も機械がさらに進歩すれば解決されるでしょうが、今回導入されることになっている64列マルチスライスCTではまだ克服されていないようです。検査についてご質問がありましたら私におたずね下さい。

【坂東】

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診療予約について

皆様もご存じの通り当院では予約制を取り入れています。しかし、予約をしていただいているにも関わらず、長くお待ちいただくことがあり、申し訳なく思います。

現在の予約状況を見てみますと、どの曜日も(9時)(10時)(11時)(14時30分)(15時)といった、1日の中で一番行動しやすい時間帯に予約が集中しています。それにより(10時〜12時)(14時30分〜16時)という時間帯は1日で最も待ち時間が長くなっています。

比較的待ち時間が少なくてすむのは、午前の診療では12時30分または13時、午後は17時または17時30分といった最終の予約時間です。しかし、その前の予約時間の方がたくさんいらっしゃる場合は多少お待ちいただくことになっています。

また、ご希望の時間がとりやすく待ち時間も短くスムーズに診察ができるのは、祭日の4週間後です。例えば3/21(火)春分の日の4週間後4/18(火)は予約が取りやすくなっています。

皆様の待ち時間を短くし、スムーズに診察が行えるよう、薬の日数調節なども可能です。会計時などに予約のすいている日をお尋ねくだされば、こちらでお調べしてお伝えいたします。

予約のことについて何か質問等ございましたら受付までお申し出下さい。

【受け付け事務:美馬・湯浅・谷口】 

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間違った愛情

小学5年生の甥っ子が足のけがで学校を休みました。両親が共働きなので今日はおじいちゃん(私の父親)が面倒を見る番に。面倒を見るといってももう5年生、一日中テレビにお守りされていたのにちがいありません。一日中退屈そうに動けない体をごろごろさせて、“かわいそうやなあ。”そう思っておじいちゃんは大好きな孫のためにスーパーにでかけます。肉まん・ピザトースト・チョコレート・・・。

私が帰宅して、甥っ子の周りをみると、食べ散らかしたアルミホイルや皿がそのまま。今日のおやつを尋ねると

甥:「肉まん2個とピザトースト1枚」
私:「おやつにそんなに食べたん?」
甥:「じいちゃんが食べろって言うたけん・・・」
私:「人のセイにせられん。何個だったら食べてもいいんか知っとん?」
甥:「1個」
私:「そう。3個も食べたら体に良くないよな!晩ご飯も食べれんだろ?」
甥:「うん‥でもがんばってちょっとは食べる。」 

そういいながら夕飯のキムチ鍋の野菜を一生懸命食べていました。

今度はおじいちゃんに
私:「何でそんなに食べさせるん?」
じいちゃん:「けがしてかわいそうなで〜。食べ物で満足させてやらんと・・・」
私:「3個も食べさせたら病気になって余計かわいそう。間違えた愛情のかけ方せられん!」

恥ずかしながら我が家の食事もいいとはいえません。帰宅しても「食べ方」の話しをし続けています。おじいちゃんの孫への思いもわかりますが、愛情のかけ方をちょっとかえてもらいたいと思います。

食事相談の中でもよくあります。
「孫が好きやけんケーキ買ってやった。」
「孫が来るけんお菓子やジュースをおいてある。」
「孫がハンバーガー食べに連れていけって言うから。」
「孫は揚げ物が好きやけん、孫にあわせた食事をしたら、私は調子が悪い。」 

こんな思いが間違った愛情になっていませんか。量や頻度を考えてもらえるとかわいい孫のため、それが度を過ぎると「孫のために」とは、なっていませんよ。また、お父さん、お母さんも子供さんに似たようなことをしていませんか。

おじいちゃん、おばあちゃんの調子が悪くなる食事は子供の調子も悪くなります。子供やし、動くからいいと単純に考えられているから、生活習慣病の若年化が起こっています。今の子供が80歳まで元気で過ごせるように、おじいちゃんやおばあちゃんの昔の良い食習慣を今の世代に引き継いでもらえるようお願いします。

【管理栄養士:東】

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季節を感じる食事(3・4月)

忙しい日々でしょうが、せめて行事の時は家族そろって食事を楽しみたいものです。家族団らんで健康な心と体を取り戻して下さい。また、伝統的な食事、食文化を次の時代にお伝え下さい。

◇3月3日 ひなまつり・桃の節句 (ちらし寿司・潮汁・ひしもち・ひなあられ・桜餅)
ひしもちの色は下から白・緑・桃色。この色のいわれの一つに『雪が降ったあとに草の芽が出て、桃の花びらが散る』とありました。
潮汁はまぐりの殻のように、ピタリと合う男性と女性がめぐりあい、幸せな人生が送れますようにという願いが込められているそうです。

◇3月14日 ホワイトデー

◇春のお彼岸・春分の日 (ぼたもち)

◇3月4月  卒業、入学、入社、転勤、花見 等々
卒業は薯蕷(じょうよ)饅頭、入学は赤飯という印象が私にはありますが、皆さんはいかがでしょうか? 歓送迎会や花見などで飲み過ぎ、食べ過ぎとなりませんように。

【管理栄養士:東】

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徳島県立中央病院循環器科を訪問しました

2月中旬に、徳島県立中央病院循環器科を訪ねました。当クリニックに通う重症心不全の患者さん4名を慎重に、きちんと治療していただいたことから、一度同施設を見学したく思い訪れました。


永井先生(左) 藤永先生(右)

心臓カテーテル治療などの責任者は藤永裕之先生です。私が徳島赤十字病院に勤務していた頃、循環器科で一緒に働いたことがあります。徳島県立中央病院に診療をお願いした患者さんは、短期間では改善できないだろうと想像される方ばかりでした。そういった診療が負担になっていないかどうか藤永先生に尋ねました。先生は「入院日数が長くなっても、行わなければならない診療はきちんとしたい。そういったことができなくなれば、自分達の仕事をしていく意味がなくなる。」と返事してくれました。

急性期病院にとって入院日数を短くすることは医療の効率化から、是非とも必要なことです。しかし、時に行きすぎ、やり過ぎの傾向がみられ、必要な診療を営々と行ってくれる姿勢には頭が下がりました。

徳島県立中央病院は昭和40年代後半に建てられているため、老朽化し機能的ではないのですが、その中でスタッフは機敏に活動していました。数十年先の医療事情を推測して病院を建築することはなかなか困難です。現在の徳島県立中央病院施設の不備な点は、現在働いている人達の責任ではありません。新築して新しい病院になると、患者さんにとっても、スタッフにとっても快適な施設になることでしょう。

院長の永井先生ともお会いしました。徳島県立中央病院を再興させたいという強い意志をお持ちで、いろいろと活動されています。徳島県立中央病院に存在するソフト面での不備な点は改善しなければなりません。しかしそういったことを行っても、県民のための診療を行って病院経営が赤字になるのであれば、私は物心両面で応援したいと思います。「徳島県立中央病院も頑張れ」とエールを送りながら同院を後にしました。

【坂東】

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桜の苗木を植えました

クリニック敷地の入り口に桜の苗木を2本植えました。背丈は2メートルを超えていますが、幹の太さは赤ちゃんの腕のようで、まだまだ頼りない感じがします。しかし苗木は小さな新芽をたくさん出してきており、はつらつとした生命力を感じます。
以前から、桜を植えたいと思っていました。どなたも感じることですが、春浪漫の代表となる、あの桜花は見事としか言いようがありません。またその散り際の潔さも、日本人の心を引きつけてきたものと思います。在原業平の歌を持ち出すまでもなく、桜は古代から日本人に好かれてきた代表的な花木であると思います。
このように誉められることの多い桜ですが、観賞用として庭に植えようとすると、虫がつきやすい、開花日数が短いため春以外では見るべきものがないと誹られることがあります。私もそのように感じていたのですが、少し違った見方をするようになりました。
朝の診療開始前に、周囲の田園地帯を散歩することがあります。仕事が終日クリニック内となるため、朝のウォーキングで運動不足を解消しようとしています。いつも歩く道筋に桜並木がありますが、小雪の舞う冬のある日、早く桜が咲けばよいのにと、ふと桜の木に近づきました。寒い中、桜はどうしているだろうという思いもあったのですが、枝にはきちんと花芽が用意されており、来るべき陽春の準備が着々となされていることに驚きました。(次頁)
(前頁から)人は対象とするものの最盛期をみて愛でますが、それに至る過程には興味を示さないことがままあります。冬季オリンピック女子フィギィアスケートで、メダル争いの華やかな銀盤に注目する人は多いのですが、彼らがきらびやかな表舞台以外でどのような努力をしているかに興味を持つ人は少ないようです。
桜は、春のごく短期間に花を咲かせるだけですが、散った後は葉桜となり、葉を落とした後は次の春のために花芽を用意しています。華やかな桜花の時期だけでなく、どの時期の桜も、静謐に、着実に桜の役目を果たしているように見えます。こういった目で桜を眺めていると、桜のけなげさに惹かれ、四季を通じて桜を楽しむことができるように思います。
このような現象は桜に限るわけではないのですが、対象とするものの一番よい時期だけではなく、それに至る過程をも観察することで、未知の事象を発見することに気づきました。
クリニックの桜の苗木も、四季を通じていろいろな姿を示すことと思います。通りすがりに、どのような様子をみせているかご覧下さい。

【坂東】

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心に残る言葉

「○○さんの心臓手術は△月△日午前9時から行います。」手術の予定をたて、患者さんに伝えます。患者さんは予定日にあわせて自分の気持ちを整理していきます。中には遺書をしたためて家族に渡す方もありました。緊張感が高まっていくのは術者からみていてもわかります。回診のたびにいろいろと話をして、患者さんの気持ちを解きほぐすようにしました。

しかし、病院内外から緊急手術の要請があり、予定手術の患者さんに手術日時を譲っていただかなければならないことが起こります。年間に数回そのようなことがありました。予定変更をお願いした患者さんの反応はいろいろでした。緊張の糸がプツンと切れてがっくりされた方、自分より危ない命を助けるには仕方がないと快く了解いただいた方、呼び寄せる子供の日程が狂うと文句を言われた方、家族のホテル代がかさむと抗議された方、命が延びたと喜んだ方など、悲喜こもごも、反応は多種多様でした。

手術の数日前に変更をお願いするのはまだしも、当日の朝に変更をお願いするのは大変でした。ご家族も集まってこれから手術室に向かうという時に「実は緊急手術があって…」と切り出すのは心が重い事でした。しかし心臓外科の手術チームは一つしかなく、同時に二人の手術を開始するということはできません。消えそうな命から順番に助けるのが鉄則です。

そんな予定変更の中で最も心に残った患者さんは高知の女性でした。30歳代の方で予定通り手術室に搬入し、各種の点滴やモニターラインを挿入して麻酔の用意を始めました。そのとき、循環器内科医から緊急手術の必要な患者さんがいると手術室に連絡がありました。麻酔医に麻酔をかけることを見合わすよう依頼し、カテーテル検査室に急ぎました。確かに重篤な状態であり、直ちに手術をしなければ助かりません。すぐ手術室にとって返し、麻酔医に緊急症例の出現と手術の変更を耳打ちしました。女性の意識がはっきりしていることを確認して事情を説明します。「緊急手術の必要な方がいる。いますぐ、手術しなければ助からない。重篤な状態で長時間手術になる可能性がある。その人の手術を終えてから、今日中にあなたの手術を行うことは困難かもしれない。その人を優先してあなたの手術を延期させて欲しい。」
「…はい、わかりました。」極めて簡潔な返事でした。

ただちに各種のラインを抜去し、手術台からストレッチャーに移し、病棟に帰っていただきました。重症の患者さんをカテーテル検査室から手術室に運び、緊急の冠状動脈バイパス術を行い、事なきを得ました。後日、高知女性の手術を完璧に終えたことは言うまでもありません。
高知の女性を形容する言葉に「土佐のはちきん」という言葉があります。この人こそ「土佐のはちきん」なのでしょう。手術台上で手術の延期を伝えられ、文句一つ言わず了承された潔さには感服しました。

後年結婚され、赤ちゃんもできたと葉書をいただきました。しっかりした子供さんに育てていることと思います。実に見事な女性でした。

【坂東】

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ヘモグロビン・エィ・ワン・シー(HbA1c)のお話

糖尿病の診断とコントロールのための指標

糖尿病のコントロールのために、または糖尿病の疑いのある方には血糖値が測定されますね。でも、この血糖値は「採血した時の血糖の状態」を知らせてくれるだけなのです。そこで、血糖測定と組み合わせて“ヘモグロビンA1c”の値を測定する事がとても大切になるのです。 “ヘモグロビンA1c”の値は、食事や運動には影響されにくく、いつも1〜2ヶ月前からの平均的な血糖の状態を教えてくれます。ですから、病気の状態を正確に知る事ができ、診断の参考にもなります。では、このヘモグロビンA1cの値が、糖尿病の治療やコントロールにどのように役立ち、すぐれた指標になるのかをお話ししましょう。

◇◆◇“ヘモグロビンA1c”って何?◇◆◇
ヘモグロビンA1cについてお話をしていきます。
★ヘモグロビン:血液の中には赤血球と呼ばれる細胞があります。その赤血球の中に大量に存在する蛋白で、体内の隅々まで酸素を運搬する赤い色素です。
★グリコヘモグロビン(ヘモグロビンA1):ヘモグロビンが血液中のブドウ糖と結合してできた強固な化合物で、高血糖が長い間持続すると、このグリコヘモグロビンも増えてきます。グリコヘモグロビンには、何種類かありますが、糖尿病のコントロール状態と密接に関係するものがヘモグロビンA1cです。
【図1】は血液中でブドウ糖がヘモグロビンに結合してグリコヘモグロビン(ヘモグロビンA1c)を形成している状況を示しています。

赤血球の寿命はおよそ120日(4ヶ月)といわれています。赤血球はこの間ずっと体内を巡って、血液中のブドウ糖と少しずつ結びつきます。高血糖、すなわち余っている糖が多ければ多いほど結びつきが増えてグリコヘモグロビン(ヘモグロビンA1c)も多くなるわけです。ちょうど、“ヘモグロビンの砂糖づけ”を想像するとわかりやすいでしょう。つまり、砂糖水が濃ければ濃いほど、また砂糖水の中につかっている時間が長ければ長いほど、砂糖と結びつく度合いが大きくなります。(注:ブドウ糖と砂糖とは別ものです。)従って血液中のヘモグロビンA1c値は、赤血球の寿命の半分くらいにあたる時期の血糖値の平均を教えてくれます。そこで、血液検査の日から1〜2ヶ月前の血糖の状態を推定できるのです。

◇◆◇糖尿病の合併症―検査と正しいコントロールで防げます!◇◆◇

糖尿病にはいろいろな合併症があります。目、腎臓、心臓、血管、神経などの病気にかかる事があり合併症を防ぐために一番大切な事は、血糖を適切にコントロールしていくことです。

【血糖コントロールの目安】
ヘモグロビンA1cの正常範囲は、4.3〜5.8%です。糖尿病の方は、6.5%以下の目標にしましょう。
(8%以上が継続していると合併症の進展の危険性が大です!)

【臨床検査技師:田中・宮原】

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歩かん県? 運動せん県? 食べ過ぎる県? 
ほなけん 徳島県では糖尿病が増えているのでしょうか?

2003年厚生労働省の発表では40歳以上の6人に1人が糖尿病あるいは糖尿病予備軍であるといわれています。私達の住む徳島県でも糖尿病は増加傾向にあるといわれ、糖尿病緊急事態宣言が出されました。今回はこの糖尿病についてお話したいと思います。

■糖尿病は、どんな病気?
私たちの体を維持するためには、エネルギー源となる燃料が必要です。車の場合はガソリンですが私達の体ではブドウ糖がエネルギー源となり、血液の中に溶け込んでいます。この血液中のブドウ糖のことを「血糖」といいます。血糖の量は食事をすると増え、逆に空腹になると減ってきます。血糖のコントロールには「インスリン」というホルモンが作用しています。このインスリンの量が少なかったり、分泌されていても上手に使われないと血糖が高くなります。このような状態になると、血管が傷んでさまざまな病気の引き金になり、合併症に注意しなければなりません。代表的な合併症には「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」「糖尿病神経障害」があり、「糖尿病の三大合併症」といわれています。その他にも動脈硬化から心筋梗塞や脳梗塞の危険性も高くなります。

■糖尿病の種類
★1型糖尿病
  膵臓のβ細胞というインスリンを作る細胞が破壊され、からだの中のインスリンの量が絶対的に足りなくなって起こります。子供のうちに始まることが多く、以前は小児糖尿病とか、インスリン依存型糖尿病と呼ばれていました。

★ 2型糖尿病
  インスリンの出る量が少なくなって起こるものと、肝臓や筋肉などの細胞がインスリン作用をあまり感じなくなる(インスリンの働きが悪い)ために、ブドウ糖がうまく取り入れられなくなっ
て起こるものがあります。食事や運動などの生活習慣に加え、遺伝的な素因も関係しています。わが国の糖尿病の95%以上はこのタイプです。

★その他
遺伝子の異常やほかの病気が原因となるものや妊娠糖尿病があります。

■糖尿病の症状って?
糖尿病の症状は気付きにくく、多少血糖値が高いくらいでは全く症状のない人がほとんどです。しかし、その程度の高血糖でも合併症は着実に発症・進行していきます。 
高血糖がひどくなると、のどが渇く、お小水が多い、傷が治りにくい、疲れやすい、食べてもやせる、といった症状が現れてきます。

■糖尿病はコントロールする病気です
血糖値やHbA1cを下げて、できるだけ健康な人と同じくらいに保とうとすることを、「血糖をコントロールする」といいます。糖尿病の人も血糖コントロールを続けていけば、高血糖によって起こるさまざまな病気(合併症)を防ぐことができます。また、合併症がすでにある場合は進行をおさえることが重要です。まずは糖尿病を正しく理解して、学んだ知識を日常生活の中で実行することが大切です。(HbA1cについては検査部門で記載されていますのでご覧下さい)

*当クリニックでは、今回お話した糖尿病や高血圧症などの食事療法や運動療法、薬物療法などのお手伝いをしています。分かりにくいことがありましたらお気軽にスタッフにお声をおかけ下さい。次号では「糖尿病の合併症」についてお話ししたいと思います。

【看護師:竹内・速水・立石・長尾】

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