夢で逢いましょう

クリニックの待合室でいろいろな音楽が流れているのはご存知のこと思います。
周囲の田圃やすぐそばの大谷山、遠く離れた眉山などを眺めていただきながら、季節にあった音楽が添うようにと選曲しています。

音楽CDは学会出張などで東京に行ったとき、銀座の山野楽器で購入しています。この店では店頭商品が非常に多く、またCDのバーコードを器械にかざせば、ケースに入ったままで試聴できるシステムが何年も前から導入されています。以前、他の店で購入していた時には演奏者や題名から曲の情景を推測していましたが、実際に購入してみてクリニックのBGMとしては適切でないと思ったことが時々ありました。その点、たくさんの作品の中から、曲の頭の部分だけですが曲想を確認してから購入できる山野楽器はありがたい存在です。   

今年夏に出張した際、中村八大さんのピアノ曲集「夢で逢いましょう」を見つけました。すぐに聞いてみましたが数々のなつかしい曲が流れてきました。
NHKテレビで「夢で逢いましょう」というバラエティ番組が放送されていたのは昭和36年からで、8年間放送されています。私の小中学校時代にあたります。夕食のあと、家族みんなが揃ってこの番組を見ていた記憶があります。

どの家も同じように貧乏だけれど暖かく、希望や連帯感はご近所にもいっぱいあったように思います。どこでどう間違って、若い世代に希望を与えにくい時代にしてしまったのでしょう。高卒者や大卒者の求人倍率の低さが報道されていますが、若い人達に対して申し訳ないという気持ちで一杯になってしまいます。

50代以上の方なら聞き覚えがあることと思います。待合室で「夢で逢いましょう」に出会われたら、しばらくの間、昭和30年代にタイムスリップしてみて下さい。

【坂東】

【夢で逢いましょうのCDジャケット】  【銀座 山野楽器 本店】