気がつくと膝の痛みが消えていた? (ダイエット編3)

そういえばこの頃、膝が痛くないのです。血圧の薬も減っているのです。ダイエットしたらいろいろな問題が良くなったのです。

初めて受診した時は先生から「いろいろな治療方法はありますが、まずは減量。それだけで解決できることもあります。」といわれた。その後、電話で先生に相談もした。「減量せずにどんな薬を使っても効果的ではない。」と言う先生の言葉にショックを受けた。その言葉が減量のきっかけだったという。経過中には思うように減量できずにあきらめかけたりもした。しかし、その気持ちを押し止めて継続してきた。それが多大な喜びに変わっている症例の紹介をします。

症 例:初診日 平成21年10月 65歳 女性(M.D.さん) 身長161.2cm、体重71.0Kg 
平成23年10月現在62.6kg (−8.4Kg) 飲食店経営
主 訴:他院で高血圧の治療を受けてきたが血圧が高いまま。右下腿静脈瘤がある。
問題点:高血圧、虚血性心疾患、左室肥大、左下腿浮腫、脂質異常症
診 断:血圧は高く、膝の痛みもあり、軽度の睡眠時無呼吸症候群もあり。体重と薬の調整が必要。
食事相談:初回は減塩方法を話し合った。両親も高血圧で生育環境も濃い味付けだった由。今も飲食店経営を仕事にされ味付けは薄くはない。漬け物など辛い物は大好き。今まで味付けには無頓着で、塩分について考えたことはなかった。推定摂取塩分量は20g位で過剰なため減塩方法を話し合う。2回目は、減塩の実践が出来てきて血圧は安定してきた。今回は食事バランスなどの説明と良い食事の紹介。良い食事をしながら体重調整をする方法について話し合う。減量のための実践目標は(1)毎日の体重測定、(2)果物、菓子パンなど間食を減らす、(3)よく噛んで食べることと、この3項目をたてられた。

実践経過:3ヶ月―あまり効果がでずストレスもあった。一人分の分量が多すぎていたことに気がつき次の目標にした。やっと1kgの減量、先生が誉めてくれたのがうれしくて、それからだんだん効果がではじめた。1年後―6kgの減量はできたが、一時挫折。減量はストップ。風邪を引いたのがきっかけで体重がふえたり、思うように効果が出なかったりした。この頃から家族や友達も巻き込み、運動を始めた。10kmコースも歩けるようになった。気がついたら膝の痛みはなくなっていたという。その後数ヶ月は同じ状態が続き、減量の効果は出なかった。しかしこの頃は来院前1週間ぐらいだけ、頑張った由。効果より維持に努力された。今思い返すと、丁度、正念場だったようと。しかしその後、食事量を減らす努力を継続され、寝る前も食べないという良い習慣が継続できた。2年後―周囲のみんなの"やせたね"の言葉がうれしかった。洋服が自由に選べるということができ、経済的でもあった。念願のヒートテックの服が合うのがうれしい。気がついたら膝の痛みもなくなり、睡眠時無呼吸用のマウスピースの装着も不要で、脂質異常も改善している。血圧のほうも当初の1/4の降圧剤で維持管理できている。一緒にはじめた息子さんも10kgの減量ができ、ともに喜んでいるという。

減量を目標にする方々は皆、同じような問題を抱えています。方法はみんな違っていますが、最初は実践ができても継続できず、途中で挫折することが多いようです。惜しいですね。減量はそれだけ難しいということでしょう。しかし、継続出来たのちには必ず効果がみえ、喜びも大きいようです。今回紹介した方も 記録ダイエット方法ではじめ、途中思うように効果がでず悩まれたようです。でも次の一歩を踏み出せたきっかけは「どうしてもやせたい」という思いの強さでしょう。またクリニックのスタッフが喜びを共有してくれたことも、心強い応援になったといわれた。ダイエットを成功させるには本人自身の力が重要ですが、私達スタッフもみんな応援しています。一緒に、良い身体作りをしましょう。

 【管理栄養士:藤原】