藍色の風 第36号目次
効果的な冷房管理
過剰な節電に突っ走り、空調も控えて体調を崩してしまっては、元も子もありません。クリニックの冷房管理を効果的に維持するにはどうすればよいか、考えました。
セキスイハーモネートというホームページに新・クールスクリーンという製品が掲載されています。視野の透過性もある程度あり、日射熱と紫外線を高率に遮断すると宣伝しています。試しに購入し、看護室2の窓外に掛けてみました。看護室1には掛けず、両室とも冷房を行わない状態で2時間ほど観察しました。その結果、スクリーンを使用した部屋の気温は24℃、スクリーンのない部屋は29℃でした。確かに効果があると判断し、クリニック西側の窓すべてに、午後からこのスクリーンをかけるようにしました。クリニックの窓ガラスはすべてペアガラスですが、このスクリーンを使用していると、診察室でも窓外の熱気を感じにくくなります。非常に効果的とは思いますが難点は高価なことです。大きさにより値段は異なりますが、クリニックで使用しているものは1枚8000円前後です。
またどうしても冷気が部屋の下に漂うことになり、冷房効果が不均等になります。このため待合室にはサーキュレーターという空気の撹拌機を置きました。これは1台3000円〜7000円前後で、県内の電気店で購入できます。
なお、熱中症の危険度を評価する指標として暑さ指数(WBGT:Wet-Bulb Globe Temperature)というものがあります。これは蒸し暑さを一つの単位で総合的に表すための指標で、熱中症予防のために世界中で広く使用されています。
待合室、診察室、看護室、検査室にWBGT計を置きました。但し、熱中症予防では、この数値だけに頼り切るのは危険で、やはり実際の「体感」が重要です。しかし寝たきりの方や認知症の方を介護している場合には、そういった方々が温熱の程度を適確に訴えないため、暑さ指数を参考にして居室の環境管理を行うのも一つの方法です。WBGT計はネット通販で、4〜5千円で購入できます。興味のある方は待合室でご覧下さい。
【坂東】