藍色の風 第36号目次
健康食品は必要なのでしょうか?
健康食品に興味を持つ人は多く、健康食品の販売もどんどん増えています。来院される方々の中にも、何らかの健康食品を利用されている方をたくさん見かけます。中には複数種類利用されている方もふえています。しかし、最近、マスコミでもにぎわっていたように、命を脅かす問題も発生してきています。本当にこれらの健康食品が必要なのでしょうか?体調が悪いため、こういった食品をもとめて、体質改善を期待したいという思いもわかります。しかし健康食品を選択する際には、最低限必要な知識は持ちたいものです。下表が健康食品の分類です。
表中の左下図が特定保健用食品のマークです。(国で認可されているマーク)
「健康によいと売られている食品」は、すべて「健康食品」です。これらのうち保健機能食品・・・保健機能食品には、科学的根拠を提出し表示の許可を得た特定保健用食品(トクホ)と、特定の栄養素を含み基準を満たしていれば表示が可能となる栄養機能食品があります。保健機能食品は、健康食品のうち安全性や有効性等が国の設定した一定の基準を満たした食品です。 健康食品の品質を見極める時、このマークを評価基準の一つとすることが出来ます。
健康食品から保健機能食品を除いた「いわゆる健康食品」は、法律に明確な定義がなく販売されています。この「いわゆる健康食品」の中に問題が多いようです。利用するときに確かめるべき点は(1)安全であるかどうか(2)その効果に科学的な信頼性があるかどうか(3)販売方法で消費者心理を利用していると思わせるような手口(訪問販売、通信販売、連鎖販売取引)で販売されていないかどうか、といった事項です。利用しようとするその食品について、まず詳しく情報を収集してください。判断のチェックポイントについて示します。
1)買う前に、本当に安全なのか、効果を期待でるのか、過剰宣伝ではないのか、ゆっくり考え、まず疑ってみる。すぐに飛びつかないことです。
2)入手してからは、製造者や販売者などの名前や原材料名の表示があるか、お客様相談口などの連絡先が書いてあるか、栄養成分等の表示があるか、適切な摂取方法や摂取量、注意点などが書いてあるか調べましょう。(「基本は食事バランスを守り、なお不足と思われる場合には、適量を守って使ってください」「あくまで補助的に利用ください」など書かれている。)
3)使用してみて具合が悪くなっていないか見極め、効果がある場合は継続してみてもよいですが、効果があまりない、変わらないなどの場合はやめましょう。
メタボリックシンドロームをターゲットにしたり、高齢者をターゲットにしたり、こういったいわゆる健康食品の種類はますます増えることが予想されます。選ぶときでも、少なくともあやふやな健康食品は避け、賢い消費者になりましょう。
私たちは昔からその土地で生産された農産物、海産物などをいただいて体の成長、健康を維持促進してきています。健康食品に頼らなくてよいように、もう一度、食事を見直してほしいと願っています。わからないことがありましたら医師、管理栄養士に相談してください。
【管理栄養士:藤原】