食中毒シーズン到来・・・

食中毒は夏の暑い季節だけでしょうか?

暑い夏は、少なくとも食品を取り扱う業界では神経質になる季節です。しかし食中毒の発生は9月から11月がピークになっています。暑い夏には皆さんが気をつけるから食中毒は比較的少なく、少し涼しくなって油断したころ‥ これからがまさに食中毒が発生しやすいという季節なのです。──そして、かつて夏しか起きなかった種類の食中毒が、冬でも横行するようになってきています。これは家屋の密閉性や暖房完備といった住環境の向上で、一年中室内の温度が一定以上に保たれるようになったことが原因と言われています。近年は冬場に発生のピークがあるノロウイルスによる食中毒も増加してきています。年間を通じて食中毒への警戒を忘れることはできません。

また毎日食べている家庭の食事でも食中毒は発生しています。発症する人数が少ないので他の病気と間違えやすく、発見が送れて重症化するケースも見られます。

食中毒の変化は食習慣の変化

かつて魚介類を多く食べていた頃は、腸炎ビブリオ、ぶどう球菌、サルモネラ属菌が三大食中毒菌に挙げられていました。近年の欧米化してきた食生活では肉・乳・卵類を食材にすることが多くなり、サルモネラ属菌、ウエルシュ菌、カンピロバクター菌などの菌種が増えてきており、食中毒の変化は食習慣の変化を表すといえます。

また近年、我が国では食材の半分以上を海外からの輸入に頼っています。先日の毒物混入ギョーザ事件はもってのほかですが、食材の流通が地球規模になり食卓が豊かになっている反面、私たちの食生活を脅かすマイナスの面も大きいことを知っておかなければなりません。以下でお知らせする食生活の基本をしっかり守り、食中毒を防ぐことが大切です。

家庭でできる食中毒予防の6つのポイント(厚生労働省)

  • ポイント1 食品の購入
    新鮮な物、消費期限を確認して購入する
  • ポイント2 家庭での保存
    持ち帰ったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫で保存する
  • ポイント3 下準備
    手を洗う、きれいな調理器具を使う
  • ポイント4 調理
    手を洗う 十分に加熱する。目安は85℃1分以上の加熱
  • ポイント5 食事
    手を洗う 室温に長く放置しない
  • ポイント6 残った食品
    きれいな器具容器で保存する。再加熱をする。

まとめると食中毒を防止する3原則は次のようになります。

  1. 菌を増やさない・・・冷蔵・冷凍 
  2. 菌に触れない・・・・清潔・清掃
  3. 菌を殺す・・・・・・加熱・殺菌

前述の6つのポイントはこの3原則から成っています。これらのポイントをきちんと守り、家庭から食中毒をなくしましょう。もし食中毒を疑う症状があればくれぐれも自己判断せず、速やかに医師に相談されるようお勧めします。

 【管理栄養士 藤原】