藍色の風 第11号目次
職場の食環境
社員が健康になることは、企業にとっては有益なことです。ライバル会社を追い抜くためには社員の活力、気力とともに健康も重要ですそこで、ある会社では社員の健康を考え、社員食堂に自然食メニューを取り入れています。その食事を食べるようになった社員は「健康を取り戻すことができた」「体調がよくなり気持ちが前向きになった」と、心も身体も健康になっていく様子が紹介されていました
あなたの会社は社員の健康を考えているのでしょうか。食生活を聞き取ると職場のおやつや社員食堂が原因で病気になったと考えられる場合があります。「ここに勤めるようになってから体重が増えた、コレステロールが上がった、糖尿病が悪くなった。」そんな患者さんの職場を覗いてみましょう。
- 会社では10時と3時の休憩に上司が毎日ケーキを買ってくれます。食べてはいけないと思いつつ嫌いじゃないのでついつい食べてしまいます。でもこれではいけないと思って一度は断ってみたけど「これくらい、いけるわよー」とやっぱり勧められました。これ以上は断りづらいのが現状です。体重増加もコレステロールの上昇や脂肪肝の原因もこれだと分かっています。
- ダイエットしているのにデスクにお菓子の山があります。どうしてもそこに目をとられるし、上司は横で朝から食べています。仕事にも集中できないし、ダイエット中の私にはストレスが大きく困っています。
- ある職場に数ヶ月だけ行っています。お菓子の差し入れが多くついつい食べてしまい、あっというまに糖尿病が悪化してしまいました。あと少しで勤務期間が終わるので、また上手くコントロールできます。
- 仕事仲間がとにかくよく食べます。休憩時間にはお菓子を持ち寄るのが当たり前になっているので自分も買って行きます。欲しくないけど合わせて食べないと感じが悪いでしょ。その職場をやめないと私はダイエットできません。
- 揚げ物や油を減らせと言われると社員食堂で食べるものがありません。定食は毎日揚げ物でギトギトした料理ばかりです。野菜を食べようと思ってもドレッシングたっぷりです。
- 宅配弁当は揚げ物が多くて困っています。野菜は少ないし、味付けも濃いけど他に食べるものがないので仕方がありません。
上記のような職場の食環境はいかがなものでしょう。まず、職場にお菓子は必要ですか?子供の学校給食でもお菓子は毎日でてこないのに大人の方が食べ過ぎていませんか?少量のお菓子は心の栄養、適量を超えると肥満細胞の栄養となりメタボリックシンドロームへまっしぐらです。
次に、社員食堂です。1日1食を利用するわけですからその人の身体に与える影響は大きいと考えます。社員の健康を気遣った健康メニューや糖尿病食などの治療食、また自然食などがあれば安心して社員食堂を利用できると思います。とある会社の社員食堂を利用している人には高脂血症が多い印象があります。患者さんが食堂の栄養士にその旨を尋ねたところ「決められた栄養素に沿って献立を立てているから」と返事が返ってきたそうです。いくら基準値で献立を考えても、その結果社員の病気が増えたのでは問題です。1日の大半を職場で過ごすなら職場の食環境をよくして社員の健康管理に注意していただきたいですね。会社を発展させるひとつの方法になると思いませんか。
*カロリー豆知識*
Q.カロリーの高いのはどれ?低いのはどれ?
(1)あじのたたき (2)あじの南蛮漬け (3)あじのフライ
(4)しめサバ (5)さばの味噌煮
A.(1)90kcal (2)170kcal (3)270kcal (4)170kcal (5)200kcal
上の枠内をマウスでドラック(左ボタンを押したまま横に)してください。答えがご覧いただけます。
(あじ1匹分:正味65g,さば1切分:正味80g当たりのカロリーを示しています。)
(1)と(3)のように、同じ分量の魚でも料理方法が違うとカロリーは3倍となります。また、同じ青魚でもさばやブリなどは脂が多いので高カロリーになります。
(新毎日の食事のカロリーガイドブック,女子栄養大学出版部参照)
【管理栄養士:東】