メタボリックシンドロームとインボディ

メタボリックシンドロームの定義としておなか周りが男性は85cm以上、女性は90cm以上という値が示されてきました。しかし男性に対して85cmは厳しすぎるのではないかとの疑問が以前からあり、世界の人種別基準を作っている国際糖尿病連合は平成19年6月に日本人の基準を他のアジア人と同様に男性90cm 女性80cmとすることを発表しています。これを受け、日本の該当学会はメタボリックシンドロームの基準を再検討することになりました。

日本人で生活習慣病を発生させやすくする腹部内蔵脂肪面積は100平方センチメートルとされています。この脂肪断面積に相当するのが男性では85cm女性では90cmの腹囲ということでした。しかし腹囲から内臓脂肪断面積を推定するため、どうしてもこのような不確かさがついて回ります。
今年9月から当クリニックではInBody(インボディ)という医療器械を導入しています。これは腹部内臓脂肪を測定することができるため、腹囲で内臓脂肪を推測するという曖昧さがなくなります。非常に精確に体脂肪率を計測したりすることもできるため、適宜使用して皆さんの状態評価に利用しています。

また、InBodyでは体の各部位の筋肉量を測定することもできます。心臓や血管にのみ私が注目し、足の筋肉や腹筋、背筋といった身体の筋肉が落ちてしまっている状態を見逃していることがあります。足の筋肉が低下していると転倒しやすくなったり、自然と活動量が低下したりしています。そのような状態を評価するためにもInBodyを利用しています。下に具体例として坂東のInBody計測結果を示します。

【坂東】