藍色の風 第16号目次
ご腸内の平和を守りましょう♪♪
私たちの消化管は全長8mその粘膜の総面積は400平方メートル、テニスコート二面分に相当します。その働きは単なる消化吸収の器官だけでなく神経が網の目に分布し、多くの化学センサーを備え免疫細胞の宝庫でもあります。そのため外敵からいつも体を守り攻撃できる態勢を備えています。しかし何らかの原因で体の免疫力が弱まると防衛反応の一つとして下痢症状が現れることがあります。
下痢を起こす原因
●細菌やウイルス
食べ物を介してウイルスや細菌に感染すると、胃や腸に炎症が起きて、体の中から悪いものを排泄しようと嘔吐や下痢を起こします。
●消化吸収不良
飲みすぎや食べすぎ、消化のよくない食品のとりすぎやお腹の冷え等により胃の機能や大腸の水分を吸収する働きが低下し下痢を起こします。
●それ以外の原因
抗生物質の多用、ストレス、タバコ、睡眠不足、偏食やダイエット等。
その中で今回は細菌やウイルスで起こる「急性胃腸炎」についてお話しましょう。
主な症状として嘔気や嘔吐、下痢があり、腹痛や発熱・倦怠感を伴うこともあります。症状の程度や持続する期間には個人差があります。
1.細菌性胃腸炎
気温が上昇した暑い時期に多く、食品や生水を介して感染します。 その予防方法は? 体を冷やすと消化・吸収が低下するので冷たい食べ物や冷房などで、お腹を冷やさないように気をつける。 ★食品は十分に加熱し調理法に注意する。
2.ウイルス性胃腸炎
冬場に流行する傾向があり、糞便を介して口から感染し家族や学校な
どで流行します。症状から「嘔吐・下痢症」ともいわれています。
その予防方法は? ★家族や職場で流行している場合は手洗いをしっかりする。
対応方法
もし、かかってしまったら?
- 軽いムカムカ感や下痢で食事ができそうであれば食事をして下さい。ただし、肉類など脂っこい物はやめて消化のいい食事をしてください。
- 嘔吐や下痢症状がひどく食事ができない場合、また、食事することにより胃や腸が刺激されて嘔吐や下痢をする場合は食事を中止して消化管を休めることが大切です。食事や水分がとれなくなると脱水症状が現れる可能性があり、水分や電解質補給のために点滴を行う必要があるので主治医にご相談ください。
* 脱水症状とは:下痢や発熱、発汗などにより体に必要な水分が不足した状態のことをいいます。サインとしては、口の渇き、頭痛、吐き気、めまい、皮膚の乾燥、体温上昇、倦怠感、目がくぼむ、尿が減るなどの症状があります。
症状が治まってきたら?
常温のスポーツドリンクやお茶を飲んでみて、どうもなければ消化のいい食事を開始してください。体調をみながら徐々に普通の食事に戻していきましょう。
- 適している食べ物:
おかゆ・具をやわらかく煮た味噌汁・スープなど温かいもの - 適していない食べ物:
熱すぎ、又は冷たすぎるもの・牛乳・ジュース・味の濃いもの・香辛料の強いもの・肉類など脂肪分の多いもの
いつも飲んでいる薬はどうしたらいいの?
強い嘔気や嘔吐がある場合は休んでください。
ただし、2日以上薬が飲めない場合は主治医に連絡をして対応方法をお尋ねください。
【看護師:速水・立石・竹内・長尾・阿部】