藍色の風 第17号目次
心に残るお返し
最近は結婚の便りより訃報の連絡が多くなりました。私自身、確実に年を重ねていることを実感しています。さて、香典返しや逝去の知らせに頭を悩まされる人が多いと思います。
以前お亡くなりになった患者さんで、四十九日の法要を終えた後、御家族の方からお手紙と京都のお菓子が届きました。文面には故人がことのほかそのお菓子を好み、ことあるごとに取り寄せて食べていたとありました。お礼方々、このお菓子をお送りするので、故人を思い出す、よすがになれば‥と結ばれていました。
このお手紙以降、そのお菓子を見るたびに、その方の笑顔を思い出します。このような逝去のお知らせをいただいたのは初めてであり、相手の心に届く方法であると感心しました。これに倣い、私も母の死後1年の記念会で、母の好んだ飴を用意し、どのように食べていたか当時の状況を説明して、参会していただいた方に追加でお持ち帰り頂きました。
香典返しや逝去の知らせに際しては、故人を彷彿させるような工夫が必要なのだろうと思いました。
【坂東】