藍色の風 第34号目次
日本型食生活は世界中で注目されている!!
皆さんの朝食はどんな内容でしょうか?クリニックを訪れている患者さんの年代層では、朝食は食パンとコーヒー、牛乳などのパターンで食べられている人が多く、「ご飯とみそ汁」派は非常に少なくなっています。朝は食欲がなく、朝から手間をかけたくない等が理由のようです。しかしそれが朝の排便習慣を不調にしている原因とも考えられます。昔は、朝ごはんを待ちかねていたし、食べないと動けないと思っていました。家族のために手間をかけてご飯を炊き、みそ汁を料理してきた昔の主婦にとっては、こんな理由は驚きの言葉であろうと思います。
1977年頃の米国では現在の日本で騒がれているような健康問題が発生し、それを改善するためにマクガバン・レポート(アメリカ合衆国上院栄養問題特別委員会報告書)が公表されました。そこには「高カロリー・高脂肪の食品、つまり肉・乳製品・卵と言った動物性食品を減らし、出来るだけ精製しない穀物や野菜・果物を多くとるように」と記載され、「世界で一カ所だけ理想的な食生活の国がある。それは日本で、彼らの食習慣を見習うべきである」とも述べられています。さらにもっとも理想的な食事と定義したのは、主食を玄米としていた元禄時代以前の日本の伝統的な食事であることが明記されました。それ以来「日本型食生活」が栄養バランスのとれた食事として世界中で注目されるようになりました。
「日本型食生活」とは、米などの穀物を主食にして大豆や野菜・魚による副食を組み合わせた伝統的な食事に、肉類や果物をほどよく加えたバランスよい食事です。この食事が日本人の体格の向上、平均寿命の大幅な伸びに好影響を与えました。
日本型食生活=伝統的食生活+肉類+脂質+果物
この日本型食生活でもっとも評価されているのは3大栄養素のバランスです。(糖質55〜60%、蛋白質15〜20%、脂質20〜25%)(藍色の風 第22号参照)こんなにも絶賛されてきた日本型食生活が見捨てられているのは残念です。朝はパン食、昼も夜もカタカナ文字のメニューなど、この欧風化した食生活の結果は、野菜不足をもたらし、脂質の代謝に慣れない日本人にとっては過剰の脂質摂取による代謝不良をおこし、生活習慣病の増加が問題になってきました。またアンバランスな食事、野菜等の食物繊維不足は、栄養の偏りを起こし、頑固な便秘をまねいています。
日本でも厚労省・農林水産省が2005年に食事バランスガイドを発表しました。そこには「主食の穀類を増やす、豆・野菜・海草などの植物性の食品を多くして、動物性の脂肪や蛋白質を多く摂り過ぎない」と記されています。これこそが、かねてから世界で賞賛されてきた理想の日本型食生活です。主食はご飯を中心にし、主菜(大豆製品・魚・肉・卵)副菜(野菜を中心にキノコ類・海草類)をほどよく組み合わせます。
朝からご飯と野菜たっぷりのみそ汁を基本にしてたべましょう。そしてカタカナ文字のメニュー(パン食、カレーライス、シチュー、スパゲテー、サンドイッチ、ハンバーガー、チャーハン、ラーメン等々)を減らす事が大切です。西欧人をまねた食事ではなく、日本人の体に合った日本型食生活を習慣に変えていきましょう。
【管理栄養士:藤原】