骨粗しょう症を防ぎましょう

私、藤原は、この度不注意で転んでしまい腰椎圧迫骨折を起こしてしまいました。皆様に多大な
るご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。人ごとと思っていた怪我を体験し、日頃の
不注意を反省しました。こうなった原因を追及し、二度と重大な骨折を起こさないための対策を考
えてみようと思いました。

さて、骨密度ですが、若い時に運動をされている方とされていない方ではその量が違っています。また年齢と共に骨密度は減っていきますが、加齢に伴って食事の摂取量が少なくなり、カルシウムだけでなく他の栄養素も不足するようになります。特に、女性の場合は閉経後に女性ホルモンが減少し、体の中に入ってくるカルシウムより、出て行くカルシウムのほうが多くなります。当然のように骨のカルシウム量は減っていくことになります。体のカルシウム貯蔵庫である骨から、どんどんカルシウムが出て行くことになるのです。

加齢に伴う骨折を防ぐにはピークボーンマス(人の一生のうちで最大の骨量)を若い時期にできるだけ高くすることが大切です。たとえて言うなら貯金が100万円あった場合と70万円しかない場合に、同じようにお金を使っていったら先になくなるのは70万円しかなかった方です。骨量でも同じことが言え、骨の貯えが多ければ多いほど閉経・加齢などにより骨量が減っていっても余裕がでてくるのです。予防は、出来るだけ若い時に積極的に運動をして骨密度を蓄えておく事です。

しかし、今更にして若返ることが出来ないですね。それではどうしたらよいでしょうか?骨密度を低下させない方法を考えていくしかないのですが、その方法として以下の項目が挙げられます。

  1. 転倒して骨折を起こさないように足腰の筋力やバランス能力を鍛える運動をしましょう。
    骨密度を低下させない運動(ウオーキング、ジョギング、エアロビクス)骨を強くする体操(フラミンゴ体操)背筋を伸ばす運動、転倒を防ぐ運動(ふくらはぎとアキレス腱のストレッチ、足の付け根の筋肉ストレッチ)・・詳細はクリニックスタッフご相談ください。
  2. 日光によく当たり戸外で運動をするとより効果的です。骨の形成に必要なビタミンDは日光に
    当たると体内で合成されます。
  3. 骨密度を低下させない食事療法を考えましょう。蛋白質、カルシウム、ビタミンD,Mgなど
    の栄養素をバランスよく摂る必要があります。カルシウムの摂取目標は通常は600mgです
    が骨粗しょう症予防のためには800mg以上必要です。

☆カルシウムをたっぷりとるための食品や料理には次のようなものがあります。

  1. 牛乳、スキムミルク・・・茶碗蒸し、シチュー、グラタン
  2. 骨ごと食べられる小魚(いわしの干物、つみれ、ししゃも)いかなごの佃煮。わかさぎの南蛮
    漬け、いわしのつくね、あさりの酒蒸し
  3. 緑黄色野菜、海藻類、種実類(小松菜、大根葉、干し大根、ひじき、あらめ、ごま)小松菜の
    ごま和え、ひじきの大豆煮
  4. 大豆食品(納豆、高野豆腐、豆腐)・・大豆煮豆、高野豆腐卵とじ              

☆ビタミンDを多く含む食品
鮭、うなぎ、サンマ、イサキ、カレイ、椎茸、キクラゲなど

☆マグネシウムを多く含む食品
納豆、空豆、いんげん豆などの豆類、藻類、落花生などの種実類

カルシウムとビタミンD(体内合成を期待できます)を同時に摂ると腸管でのカルシウム吸収率がよくなりますし、逆にリン、アルコールのとりすぎはカルシウムの吸収を妨げます。また調理方法でも効果的な方法があります。小魚などは、酢を使うことで骨が柔らかくなり、カルシウムの吸収率がよくなります。味付けが濃いなど、塩分をとりすぎるとカルシウムは尿と一緒に排泄されます。こう考えるとやはり食品のバランスのみならず効果的な調理方法もあることがわかります。また、いくらカルシウムの多い食品を摂っても運動しなければ骨量の維持は出来ません。宇宙飛行士が、重力のない空間でいかに骨密度の減少を防ぐか模索中であることを見ても、おわかりと思います。骨量の維持には食事と運動とのバランスが特に重要です。私の場合は、運動が伴っていませんでした。歩くだけでは不十分です。筋トレを生活に取り入れて努力をしてみようと思っています。共感される方は一緒に始めましょう。

【管理栄養士 藤原】