〜 尿検査 で わかること 〜

尿には様々な成分が含まれており、尿検査をすることで腎臓や尿路系だけでなく、からだの情報や健康状態を知ることができます。そこで、今回はクリニックで行っている尿検査の項目についてお話します。クリニックでは、以下の5つの項目で尿検査を行っています。

項目 基準値
(参考値)
●尿タンパク
健康な人でも、尿中には少量のタンパクが含まれていますが、通常はほとんど検出されません。一日に150mg以上のタンパクが尿中に排泄されている場合をタンパク尿と呼び、腎障害が疑われます。激しい運動後、発熱、長い間立っていた時などは一時的に陽性になることがあります。
(−)
●尿糖
血液中のブドウ糖(血糖)濃度が高くなると尿中に糖が排泄されます。過食、ストレス、妊娠などの生理的な要因で陽性になることがあります。
(−)
●尿ウロビリノーゲン
ウロビリノーゲンとは、赤血球中のヘモグロビンが胆汁色素(ビリルビン)によって肝臓から腸内に排泄された後、腸内細菌の働きによって変化したものです。肝臓や胆道系の異常を知ることができます。ウロビリノーゲンは、健康な人でも少量は尿中に排泄されているため基準値(参考値)は「N」または「±」と表記しています。
N
または
±
●尿潜血
尿潜血とは、尿の中に血液(赤血球)が混じっている状態です。血液の量が多いと一目で「血尿」とわかりますが、ごくわずかな量だと肉眼ではわかりません。腎臓や尿路系などに異常があると、尿に赤血球が混じって排泄されます。
(−)
●尿pH(ペーハー)
尿が酸性かアルカリ性かを調べます。健康な人の場合は弱酸性ですが、食事、運動、薬の影響などで5.0〜8.5と幅広い範囲で変動がみられます。(肉類などを摂取すると酸性尿に傾き、野菜などを摂取するとアルカリ尿に傾きます)
4.5〜7.5

 

※採尿時に「少ししか出なかったのですが…大丈夫ですか?」と尋ねられることがあります。クリニックでは採尿カップの底から1cmくらいの量があれば検査可能です。

尿検査は比較的簡単にでき、病気の早期発見の手掛かりにもなります。尿検査を受けられた際には、異常がないか結果をチェックしてみてはいかがでしょうか。気になることがあれば、院長にご相談ください。

参考文献:尿検査‐その知識と病態の考え方‐

【臨床検査技師:宮原・田中】