食事相談室
「食事調整総論」で述べたが、一般に呼ばれている「栄養指導」室を「食事相談」室と呼称している。
患者さんの食事調整をする上で大事なことの一つは、病気をもった人ほど食事を楽しく捉えられるようにするという発想を医療者側が持つことだ。そのために、食事の知識を身につけながらおいしく食べよう、楽しく食べようという雰囲気が醸し出されるようなスペースを作って欲しいと要望した。これまで私が見てきた食事指導関連の部屋は理科室のようであったり、実験室のようであったりした。またそのような部屋さえなく、衝立で仕切ったコーナーであったりもした。
食事相談室の入り口には季節に応じてのれんを変え、この部屋への関心をもってもらうようにした。新年、早春、爛漫の春、初夏、盛夏、早秋、晩秋、年の瀬など時候にあわせて暖簾を掛け替えている。
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相談室入口と管理栄養士 |
のれん・新年 |
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のれん(早春) |
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のれん・初夏 |
のれん・初夏(拡大) |
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のれん・夏 |
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のれん・月見 |
のれん・晩秋 |
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食事は人生の楽しみの一つでもあり、病気をもった人ほど上手な食事の取り方が必要となる。理想を言えば料理を作って教える人の流し台と、教わる人の流し台を別に作り、教わる人が教える人の作り方を見聞きしながら、学ぶのがよいと感じた。しかしそうするためには余りにもスペースが必要であることがわかり断念した。また流し台の周囲に人が集まれるアイランドタイプの構造もよいと思ったが、やはり部屋の広さが要求された。最終的に採用した構造は流し台の短軸片面だけを壁に固定し、周囲から人が流し台をのぞき込めるカウンター形式であった。
椅子も部屋の雰囲気にあわせて、テーブル工房KiKiの『らくちん椅子』を用意した。照明も昼白色の蛍光灯ではなく、電球色蛍光灯を使用した。窓にも内障子をいれて、小料理屋の雰囲気を醸し出した。一般にクリニックの内部で大きな笑い声がするということはないが、この食事相談室からは非常に楽しそうな笑い声があふれて驚く。診察中にそういった声をきくと、私の意図がうまく機能していると感じて嬉しくなる。流し台の火力源にはその強さからガスを選択したかった。しかし、建物が木造であり、火災の危険性も危惧して、電磁調理装置を採用した。
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高血圧教室 |
食事相談 |
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親子の食事相談 |
単身赴任者の食事相談 |
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相談室 |
相談室 |
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相談室 |
相談室の『らくちん椅子』達 |
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なお、玄米食を積極的にとろうという管理栄養士の勧めで、黒米を混ぜた玄米ご飯を毎日炊き、患者さんにお分けしている。
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玄米鮨はいかがですか? |
院長の昼食 |
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玄米食を食べましょう! |
塩分の異なるばら寿司 |
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