設計コンセプト
   
  二つの診察室  
   
  看護室  
   
  食事相談室  
   
  待合室  
   
  生理検査室  
   
  採血室  
   
  レントゲン室  
   
  処置室  
   
  廊下と天井  
   
  トイレ  
   
  受付  
   
  スタッフルームなど  
     
レントゲン室
X線室と接した生理検査室
 患者さんは生理検査室で服を脱いで心電図検査を受け、続いてレントゲン室で胸部レントゲン写真を撮影するという流れが多い。このため生理検査室とレントゲン室とを隣り合わせにし、二つの検査を受けるに際しては上着を羽織って扉を開けると移動できるようにした。着替えの回数も減り、効果的と予想した。
レントゲン室内の内障子
 これまでたくさんのレントゲン室をみてきた。総じて無機質であり、ひんやりした印象の部屋が多かった。壁に大きな写真を貼ったり、絵を描いているレントゲン室もあったが、私の好みには合わなかった。もう少し、自然に患者さんの気持ちがほぐれるような方法はないかと考えていた。思いついたのが相談室にも使用した内障子であった。放射線防御のためにレントゲン室に窓を作ることはできないが、はめ込み障子を作ることで印象は変わると予想した。結果は期待通りで、患者さんからはお褒めの言葉をいただくことが多い。
『らくちん椅子』と着替え用綿シャツ
  建築の工夫ではないが、女性が上半身裸になってレントゲン写真を撮影されるのはやはり気分のよいものではない。金具のついた下着をはずしていただき、ご自分の下着のままで良い方はそのままで、そうでない方には夏は半袖、冬は長袖の綿シャツを用意して着用していただくようにした。そのために衣装用小棚をレントゲン室に用意している。もちろん綿シャツは患者さんが1回使用するとクリニック内で洗濯している。

 クリニックにはレントゲン技師がいないため、私が診療の合間に撮影している。診察室とレントゲン室とを行き来することで私の運動にもなっている。患者さんにお待ちいただくこともあるため、レントゲン室内にも『らくちん椅子』を用意している。

 
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